これまでの相互交流を通し、少しずつですがイギリス・日本で相互に学び合い、 成果をお互いの地で活かしていく素地ができつつあります。 その上で、将来的な交流の案が以下のように浮上してきています。
2010年7月下旬には、チキンシェッドシアターカンパニーが来日予定です。 仙台と東京でワークショップや作品上演を行う中で、 インクルーシブダンスの重要性、意義、そして、先進地での取り組みを広く知ってもらう機会となります。
交流の規模が大きくなればなるほど経費がかさみ、実現に向けての障害も増えてきます。 そこで、2名から3名のお互いのスタッフが行き来しながら、 ワークショップ・小作品作りなどを通して、 インクルーシブダンス・コミュニティダンスを広げていく試みを行うことが、 今回の交流で確認されました。
資金の関係で、いつ行うかということは決定していませんが、 相互に連絡を取り合いながら、2011年以降に継続して行っていくことが確認されました。
今回の相互交流事業では様々なことが起こり、渡英したカンパニーメンバーは 様々なことを考えさせられました。今までも国内での公演活動は行ってきたものの、 期間は長くて4日、場所も単一の会場のみでした。 しかし、今回は期間が17日間、会場が2カ所、公演回数も5回、そして、海外。
私達のカンパニーにとっては初めての経験の連続でした。 障害のあるメンバーが4名含まれています。 彼らはこれほど長く日本を離れるという経験自体も初めてです。 そして、英国内2カ所での公演・シンポジウム・ワークショップ。 そして、メンバー同士の生活。
これらの経験の中で、 今後のみやぎダンスが深く考え続けなければならない点も明確になりました。
多くのことがありますがその中の数点を取り上げてみます。
私達のカンパニーには、ダンスの収入だけで食べているダンサーはいません。 学生を除き、それぞれに仕事を持ちながらの活動です。 しかし、入場料を徴収する公演を行っています。 入場料を頂き、作品を見ていただく事においては、 ダンスを生業にしているダンサーと変わりはありません。
今までも、入場料を頂き公演すると言うことでは「プロなんだ」という自覚を持ってきていました。 この「プロなんだ」という自覚をもう少ししっかりと明確化することと、 それで食べているわけではないからという漠然とした理由だけで、 自分自身に対する甘えが無いのか?ということをそれぞれが自分に問い返しながら、 言葉にしていく必要性を感じました。
私達の成り立ちからも当然のこととして、いつも障害者のダンサーがいました。 法人の目的にも 「誰もが対等に尊重しあいながら自分らしく生きやすい社会になるように、 ダンスを通してそれを社会に訴えていく」 ことが掲げられています。
これの目的は大きな意味ではぶれていません。 非常に明確な私達法人の方向性を示しています。 そのことと、ダンサーとして個人が(健常者のダンサー個人が)障害者と一緒に踊るという意味、 なぜそれを選んでいるのかについて、絶えず自分自身に問いかけることが必要であると感じました。
踊ることは舞台に立たなくてもできます。 その中であえてなぜ舞台に立つことを行うのか。 この点についても今まで全く考えてこなかったのではありません。 しかし、いつもいつもそのことをダンサー自身が自分自身に問い返していく作業が必要であることも痛感させられました。
この3点以外にも、多くのことを共に生活する中で、考えさせられました。 法人の発足から4年が過ぎようとしています。 法人発足時には様々な議論を行い、私達のビジョンを明確にしてきていました。 今回の相互交流を経験する中で、さらに踏み込んで、私達が考え続けなければならないことが明らかになりました。 法人のメンバーであることと個人であること。 まずは個人として一人一人が何を感じ、考えているのかをより明確にしていく作業が重要であり、 その作業の過程で法人という団体の取り組みが一層明確になるではないかと考えました。
NPO法人という性格上、そこに参加する個々人の考えが明確になればなるほど、法人の活動は活発になると考えています。 今回の交流事業を通し、事業本来の目的以外にもこのような大きな収穫を得ることができました。